フリーレント期間に係る賃料の法人税法上の取扱い(借主側)

オフィスや店舗を借りる際にフリーレント期間が設定されていることは珍しくないと思います。
フリーレントとは、一定期間(一般的には賃貸借開始から数ヶ月)の賃料が免除される契約形態ですが、借主側がこのフリーレント期間に相当する賃料を損金算入できるケースがありますのでご紹介します。
※法人が借主となる場合の取扱いになります

フリーレント期間がある場合、借手側としては次の2通りの処理が考えられると思います。
①実際の支払に応じて費用計上する
②支払賃料総額をフリーレント期間も含めた全賃貸借期間にわたって費用計上する

以前は、どちらの処理を採用すべきか法令や通達で明確に示されていなかったため、実務では①を採用して、税務上保守的な処理を行うことが多かったと思います。
※②は①よりも損金算入が前倒しになるため、納税者に有利な反面、税務リスクがありました

この点、新リース会計基準の導入によってフリーレント期間が設定されている賃貸借取引の会計処理が明確化されたことに伴い、法人税基本通達12の5-3-2が新設され、令和7年4月1日以後開始事業年度からは、法人借主の損金算入方法が明確化されました。
具体的には、②の取扱いが認められることになり、フリーレント期間においても賃料の損金算入が可能となりました。
※会計上で費用処理していることが要件となります

<設例>
賃貸借期間 :2年(24ヶ月)
フリーレント:2ヶ月
月額賃料  :30万円(3ヶ月目からスタート)
賃料総額  :660万円(30万円×22ヶ月)

従来は3ヶ月目から毎月30万円を費用処理することで支払額のみを損金算入していたと思いますが、「②全期間の賃料総額をフリーレント期間も含めた賃貸借期間にわたって按分計上する」方法を採用した場合、
660万円÷24ヶ月=27万5千円をフリーレント期間中である1月目から賃料として損金算入することができます。

もし3月決算で12月から賃貸開始の場合、従来の①の処理であれば2月分と3月分の60万円だけが損金となりますが、
②の処理であれば27万5千円×4ヶ月(12~3月)=110万円を損金算入することができ、当期の法人税を圧縮することができます。

ただし、フリーレントの設定による賃料総額のディスカウント率が高すぎることや、フリーレント期間が長すぎることにより、「課税上の弊害」がある場合は上記処理は認められません。

納税者有利の処理ではありますが、「課税上の弊害」の有無について判定の必要がございますので、賃貸借契約にフリーレント期間が設定されている場合は、まず弊所担当者へご相談ください。

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