このたびの熊本地震などの災害に際し、被災された方々を支援するため、義援金等の寄附を行った方も多いのではないでしょうか。
災害義援金の一部は、法人が支出したものであれば損金(税務上の費用)となり、個人が支出したものであれば所得税や住民税の控除対象となりますが、寄附先や寄附の方法によって取扱いが異なりますので注意が必要です。
今回は、法人が義援金等を支出した場合の税務上の取扱いについてご説明いたします。
まず、法人が支出した寄附金の額は、その事業年度の所得金額や期末資本金等の額を基礎として、損金算入できる枠(一般寄附金の損金算入限度額)が決まっており、各事業年度に支出した寄附金の合計のうち、この枠を超えた部分の金額は法人税の計算上で損金として控除できないこととなります。
ただし、国または地方公共団体に対して支出した寄附金や財務大臣が指定した寄附金は、「指定寄附金」といって全額が損金算入可能となっております。
また、特定公益増進法人等に対して支出した寄附金の額は、一般寄附金とは別枠で算定される特別損金算入限度額の範囲で損金となります(特別損金算入限度額を超える部分の金額は一般寄附金に含まれ、一般寄附金の損金算入限度額を超える部分は損金不算入となります)。
法人が被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部に対して支払った義援金は、「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金の額に算入されます。
日本赤十字社や中央共同募金会等への義援金も、最終的に地方公共団体や義援金配分委員会等へ拠出されることが募金趣意書などで明らかな場合には、全額損金算入の対象となります。
一方で、日本赤十字社への寄附金でも、団体の事業資金として使用される場合は特別損金算入限度額までの損金算入になりますのでご留意ください。
| 支出先・内容 | 税務上の取扱い |
|---|---|
| 地方公共団体の災害対策本部 | 全額損金算入 |
| 日本赤十字社・中央共同募金会等 (自治体や義援金配分委員会へ拠出されることが明らか) | 全額損金算入 |
| 上記団体への寄附金のうち一般事業資金に充てられるもの | 特別損金算入限度額までは全額損金算入 特別損金算入限度額を超える部分は一般寄附金 |
<参照>
義援金に関する税務上の取扱いFAQより
Q1 被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部等に対して義援金を支払った場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/h30/0018008-048/001.htm
Q2 日本赤十字社・中央共同募金会等への義援金
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/h30/0018008-048/002.htm
その他、不特定又は多数の被災者救援のための自社製品等の提供も、寄附金や交際費等には該当しないものとして損金の額に算入されます。
また、被災した取引先の営業再開を支援するために復旧過程で支出する相応の災害見舞金は、交際費等に該当せず損金算入できます。
※ただし、取引先の役員や従業員個人への見舞金は、原則として交際費等に該当します。
<参照>
国税庁HP 災害関係費用全般
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/higashinihon/hojin_shohi_gensenFAQ/answer02.htm
以上のように、寄附金はその支出先、寄附の目的等によって税務上の取扱いが異なります。また、受領証や預り証などの書類保管が要件となっているものもございますので、なるべく寄附を行う前に当法人のスタッフまでご相談ください。
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